「観用少女」 川原由美子/朝日ソノラマ 眠れぬ夜の奇妙な話コミックス

 「観用少女(プランツドール)」という、生きている人形の少女達を巡っての様々なお話です。
 可愛くて綺麗で純粋なプランツ達の、最高の栄養は愛情。
 幸せなプランツはますます美しくなりますし、あまりそうでないプランツは、
 枯れてしまったり育ってしまったり。読んでいると、柔らかな、不思議な気持ちになれます。
 長野まゆみさんの作品によく出てくるのは「少年」で、「少女」ではありませんが、
 この「観用少女」に出てくるプランツたちは、それと似たような雰囲気を持っていると思います。


 「思考少年」 藤原薫/ソニーマガジンズ ソニーマガジンズコミックス

 読み始めたときは読み切りの短編集のような感じがしましたが、
 続けて読んでみると、大きな一つのお話になっています。
 そして、主人公、という存在は無いような気がします
 (登場人物の殆どが主人公、とも言えるかもしれません)。
 全体的に漂うのは、切ない空気です。
 絵柄も独特で、それがまた切なさに拍車をかけている様で、良い感じです。


 「セルロイドカーニバル」 大橋薫/角川書店 あすかコミックス

 絶望している人間の願いを叶えてくれる「セルロイドカーニバル」。
 魔術師やフェアリー、猛獣使い、マザーなどのいるこのカーニバルでは、
 様々な不思議なことが起こります。
 少しダークな感じのお話達です。


 「緑野原学園」シリイズ 星野架名/白泉社 花とゆめコミックス

 緑野原学園に在籍している、不思議な力を持つ少年とその友人達のお話です。
 緑野原を舞台に、様々な事件が起こります。恋があり、夢があり、友愛があり、冒険があります。
 最新刊が出てから、もう五年が経ってしまいましたが・・・続きが待ち遠しいです。


 「KISS××××」 楠本まき/集英社

 ディ・キュセのヴォーカル、カノンとかめのちゃんとの可愛いお話達
 楠本さんのセンス溢れる絵柄とストーリィは本当に素敵です
 かめのちゃんのお洋服も可愛くて注目
 長野まゆみさんのお話にに出てくるような少年はが出てくるわけではありませんが
 ちょっとだけ童話的ほのぼの、という雰囲気が少し共通している気がします







 「銀河鉄道の夜」 宮沢賢治/筑摩書房 筑摩文庫

 長野まゆみさんファンならきっとお読みでしょうが、
 それでも、この作品をここでご紹介せずにはいられません。
 しかもここでは、完全版である第四次稿だけでなく、
 初期形の第一〜第三次稿も併せての「銀河鉄道の夜」をお薦めいたします。
 どこまでもずっと、大好きな友人と共に行きたいと願いながら、
 けれどもそれは叶わず、ひとり残されてしまう少年。
 この二人のやりとりが、堪らなく悲しい感じで、でも同時に、とても綺麗です。
 情景描写も、とても美しいです。


 「まどろみ消去」 森博嗣/講談社 講談社ノベルス

 ミステリィの短編集ですが、
 内容は「ミステリィ」と一言で括ってしまうには余りにも変化に富んでいます。
 謎解きものもあれば、幻想的な、漠然としたものもあり・・・。
 けれども全体的には、なんだか甘い感じです。
 また、それぞれのお話の扉に、山田章博さんの挿し絵が入っているのですが、
 これも黒と白の対比が素敵です。







 「ドリンキングチョコレイト」 FAUCHON

 フォションのショコラパウダーです。
 お湯に溶かせば出来るタイプと、温めたミルクに溶かすタイプの二種類がありますが、
 私が好むのはミルクに溶かす方です。こちらの方が、まろやかな感じなので・・・。
 勿論、お湯に溶かす方も美味しいですし、こちらの方が簡単に出来ます。
 また、ショコラとして飲む他に、お菓子作りなどにも使用できます。


 「KATAN DOLL」 KATAN AMANO/TREVILLE

 天野可淡さんの人形作品集です。小さくて薄い、ハードカヴァーの写真集。
 この人の創る人形は殆どが少女なのですが、「人形」という物の特性上、非常に現実離れしており、
 氷りついた時の中でのみ生きる哀しさ、といった風情で素敵です。
 あくまでも「女」ではなく「少女」なので、なおさら現実の生々しさも希薄で・・・。
 また、一体一体の表情や雰囲気も妖しげかつ美麗で、もう、本当に素晴らしいです。絶賛。





        
        
        
        
        
        
         
          
          
           
            
            
              
             
             
              

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