天蓋広場



天蓋広場の一角

綾辻行人さんのこと




契機

 囁きシリィズだけは、高校の時に、表紙の美しさとタイトルの響きから知っていましたが、 その他のシリィズは大学に入ってから、先輩や友人に借りて読みました。なので今でも、 自分では殆ど所有しておりません。持っているのは、対談集とかフリークスとか、 殺人鬼とか・・・あとは囁きシリィズ・・・。 館シリィズも、いつかは手元に置いてやろうと企んでいるのですが何時になるやら。

御本人

 1997年に大谷大学の大学祭で、綾辻さんの講演会があったんですよね。大谷大学ミステリ研主催で。 その時にミステリィなお友達数人と行って、初めてお会いしたというか見たというか。 ミステリィ作家さんを間近で見た(失礼)のはこの方で2人目でした。新鮮な体験。 柔らかい雰囲気の方でした。サインも頂いて幸せ。お写真で見るよりも、御本人を直接見た方が、 良い感じです(何が?)。
ところで、綾辻さんの「辻」という漢字は、本当はしんにょうの点が2ついるんですよね。 私もこの文章を打つ際、なんとか出してみようとしたのですが出てきませんでした。 人様のお名前を正しく表記出来ないなんて・・・うう、すみませんです。 手書きの時はきちんと書こうと思います・・・。

文章

 御本人から容易く想像できるような、優しい、柔らかい感じです。 ふわふわと雲の上を歩くような続き方。ところがそれにも程度がありまして、 例えば囁きシリィズとかだとその傾向が大きいのですが、館シリィズや殺人鬼なんかだと、 少しそういった要素が押さえられ、硬い目の文章になっているような気がします。

小説

 わたくし個人的には、やはり「暗闇の囁き」が好きです。小さな兄弟が隠し事を共有し、 静かに密やかに行動して世界を創っていく辺り、そして、 それが大人によって壊された時の脆さや強さなど、 まさに私の好むところです。また、「緋色の囁き」も、現実にはありそうにない女子校が楽しくて、 好きです。
 館シリィズの中では、「迷路館の殺人」がお気に入りです。トリック云々はともかく、 最後のオチと作中作のスタイルがグウ。作中の奥付も、気が利いていますしね・・・遊び心が、 ちらっと。あの本を買うなら、是非とも新書版で買うことをお薦めします。 その方がよりリアルなのですから・・・。それにしても私は推理能力がないのか頭が固いのか、 トリックを見破れた試しが殆どありません。精進しなきゃ・・・(<なんか義務的だな)。

キャラクタ

 実は、綾辻さんの作品の登場人物に対して、あまり思い入れがないんです。 確かに島田さんはいい人そうだし、江南くんも可愛いとは思う、でも別に・・・という感じです。 それは綾辻さんの小説の中で、多分、彼らがあまりにも淡々と書かれているからだと思います。 これは私が勝手に感じていることなのですが、綾辻さんって、キャラクタを、 単なるストーリィの展開上必要なもの、 とだけ考えて書いているような気がします(違ったら大変失礼なのですが・・・)。 極端にいいますと、島田さんがかりに違う人でも、 島田さんと同じ推理能力を持っていればストーリィは成り立つ、 というか・・・進行役みたいなものですね、早い話が。・・・うー、嫌いなキャラはいないのですが、 大好きだといえるキャラもいないのは確かです。まあ、お話が楽しければ良いのか・・・。
(はっ、綾辻さん作品のキャラクタラヴラヴの方、すみません・・・)




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西村和史(Kazushi Nishimura)


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