◆砂上楼閣◆


それが例え不安定かつ脆弱で毀れやすいものだとしても

その瞬間は確かに存在しているから



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楼閣前

 
「地球儀のスライス」森博嗣

 森先生の短編集2冊目。殆どは雑誌で掲載されていたものだったのですが、 改めてまとめて読むとまた違った感じで良いですね。また、書き下ろしも3つあり、 新しいお話を読む楽しみも堪能できて幸せでした。
 「小鳥の恩返し」・・・やっぱり私引っかかりやすいみたいで、 これも見事に騙されました(^^;)。
 「片方のピアス」???結局どっち?
 「素敵な日記」かなり驚きましたね。そういうオチを持ってくるとは・・・。
 「僕に似た人」これ、初めは、だから何?と思ったのですが、 何度か読んでいると、そういうことか・・・と分かりかけてきました。 でもはっきりした解答は提示されていないので、正解なのかは分からないのですけれど。
 「石塔の屋根飾り」犀川先生のシリイズは終わってしまったけれど、 こういう風に短編で登場してくる、というのは嬉しいですね。 そしてこのお話では諏訪野さんが良い感じ(^^;)。
 「マン島の蒸気鉄道」トリックは割と単純。でもパズルが難しかったです。 自分では解けなかった・・・。そしてこのお話も諏訪野さんが素敵(^^)。
 「有限要素魔法」これは・・何?どちらかというと雰囲気を楽しむタイプ?
 「河童」なんとなく読んでいて長野まゆみさんの「夜啼く鳥は夢を見た」を思い出してしまいました。 池が出てくるのですが、これが多分、夜啼く鳥〜に出てくる沼とシンクロしたのでしょう。
 「気さくなお人形、19歳」まるで女の子みたいな描写のされている登場人物なのに、 一人称が「僕」だったので、もしかしたら異性装の少年か!? 等とちょっと期待(^^;)してしまいましたが、別にその点については何の意味もなかったようです。
 「僕は秋子に借りがある」実は私、このお話の漫画ヴァージョンを読んだことがあるのですが、 その時はあまりよく話が分からなかったんですよ。で、今回改めて小説で読んで、  「ああそうだったのか・・・」と理解。ちょっと感傷的になってしまいそうなお話でした。
 ちなみに全てのイラストをお描きになっているのは森先生の奥様のスバルさん。 緻密に描き込まれた様々なイラストはとっても素敵でした。(1999.2.3)




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西村和史(Kazushi Nishimura)


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